イチョウ葉イチョウ葉(ginkgo biloba L.)【期待される働き】 ★痴呆症(アルツハイマー型・脳血管性)の改善 ★加齢による記憶障害の改善 ★健常成人における認識力(記憶力)の改善 ★抗酸化作用 ★末梢血管障害の改善 【特徴・食経験(伝統的な使用法)】 およそ2億年前から存在。 (←とってもスゴイことです!) 漢方薬として、中国で5千年前から気管支炎の治療薬として使用。 日本でも、解毒、抗炎症、産前産後、長寿などの生薬として利用。 またイチョウ葉エキスは、数多くの臨床試験が報告されており、 痴呆症や閉塞性動脈硬化症に伴う症状を改善する効果が認められた。 日本やアメリカではサプリメントであるが、 ドイツやオーストリアでは医薬品として扱われる。 【作用メカニズム】 血流を改善することによって、脳内に血液を多く供給し、 神経細胞の壊死や脳梗塞などを予防、改善する。 血流改善作用は以下3つの相乗効果によるもの (1)血管拡張作用(2)血小板凝集抑制作用(3)抗酸化作用 【有効成分】 フラボノイド(イソラムネチン、ケルセチン、ケンフェロール プロアントシアニジン) テルペンラクトン(ギンコライド、ビロバライド) 【科学的根拠】 1.痴呆改善作用 痴呆には、脳血管障害による痴呆と、アルツハイマー型痴呆があり、 イチョウ葉は、両方のタイプの痴呆に効果が認められている。 ◎ドイツでの臨床試験では、216人の痴呆患者に対して240mgの イチョウ葉エキスが24週間にわたり投与された結果、 アルツハイマー型痴呆および脳血管性痴呆の両方が改善し、 特に問題となる副作用は認められていない。 他多くの試験結果がある。 2.血流改善改善作用 イチョウ葉エキスは、血液の流れを改善することから、 脳血管だけでなく末梢血管の循環障害による病気にも効果がある。 下肢動脈の血流が障害される病気に閉塞性動脈硬化症がある。 これは、動脈硬化のために下肢に十分な血液が送られず、 歩行時に痛みを訴え歩行困難になる病気のこと。 痛みのため休みながら少しずつ歩く症状を、間欠性跛行という。 イチョウ葉エキスは、これらの動脈硬化による下肢の血流障害にも 有効であることが確認されている。 【摂取方法】 1日あたり120~240mgを2~3回に分けて投与する。 6~8週間程度、継続したあとで効果を判断する。 血流改善には120mgから改善が見られるデータが多いが 痴呆には240mgでの効果を示すデータが多い。 なお、日本におけるイチョウ葉エキスは、品質にばらつきがあると言われている。 適切な品質のサプリメントは、 日本健康・栄養食品協会では規格基準を制定 (2002年11月の国民生活センターが市販品を調査したところ、 アレルギー物質であるギンコール酸が 西欧で医薬品としての基準値である5ppmを上回る製品が半数近くあったため 上記のような基準が作られた) 【備考】 イチョウ葉は、比較的安全性の高いハーブといえる。 副作用は、軽度の消化器症状、頭痛、発疹などである。 【薬との相互作用】 イチョウ葉は血小板凝集抑制作用を有するため 抗凝固剤などとの併用により出血傾向が強まる可能性がある。 併用は注意を要する。 また基礎・臨床試験において薬物を代謝する酵素(CYP3A4) に影響する可能性が示唆されているため 何らかの医薬品を服用中の人は、主治医と相談の上、使用すること。 【引用】 ★サプリメント小事典<蒲原聖可> ★医療従事者のための機能性食品ガイド<吉川敏一・辻智子> ★日本健康・栄養食品協会 イチョウ葉エキス規格基準 |